「なぜそこで分かる?」 早押しクイズの極意

Q.首の長い動物といえば何?

 

こんにちは。水上です。

さて皆さま、クイズ番組はお好きでしょうか? わざわざQuizKnockを開いている時点でたいがいみんな好きだろうとみなして話を進めます。そうでもない方は好きになって。

クイズ番組の花形ルールに「早押しクイズ」ってありますよね。アレを見てて、「なんでそこまでしか読まれていないのに答えがわかるんだ?」と疑問を持った方はいないでしょうか?

この疑問は「なんでそんなこと知ってるの?」と並んで二大「クイズプレイヤーが受けがちな質問」でもあり、あまりに何回も聞かれ過ぎていい加減答えるのがめんどくさくなってくるほどです。

そこで今回は、そんな皆さんの疑問に答えるため、早押しクイズのいろはについて解説を行います。長いけど頑張って読んでね!

 


冒頭に出た幼稚園児レベルの問題。答えはわかりますか? そう、「キリン」です。

だけどこの問題には2つの問題点があります。

 

① 早押しクイズとして出すには簡単すぎる

残念なのはこれを問題として出題しても「差がつかない」ところです。この問題を出して、その人のクイズの実力がわかるか? と言われたらとっても怪しくないですか?

早押しクイズはまず「知識」を問うものなので、もう少し出題の仕方を工夫したいところですね。

② 限定が取れていない

たとえばアルパカだって首が長い動物ですよね。亀だって「首が長い」と言えるっちゃ言えます。「いくつもの答えが考えられてしまう」問題のことを、クイズの世界では「限定が取れていない」問題と言います。

 

この2つの問題点をいっぺんに解決できるものがあります。それが「前振り」です。

キリンについて図鑑でちょっと調べてみましょう。「ヌビアキリン」や「マサイキリン」、「アミメキリン」といった種類がいるらしいですね。

これをもとに先ほどの問題に情報を追加してみると、

Q.ヌビア、マサイ、アミメなどの種類がいる、首の長い動物といえば何?

となります。(ヌビアキリンやマサイキリンなどの種類がいる~とすると答えがバレバレなので「キリン」は省略しています。この辺は裁量です!)

このうち、最初の「ヌビア、マサイ、アミメなどの種類がいる」の部分を前振り、最後の「首の長い」の部分を後振り(後限定・落としとも)と言います。

一般に後振りよりも前振りのほうが、「知識として有名でないものごと」であることが多いです。キリンについてより多くのことを知っている人がボタンを早く押せるための工夫です。

前振りをつけることによって「簡単すぎる」問題は解消されますし、「ヌビア、マサイ、アミメなどの種類がいる」動物は調べてみた限り他になさそうなので「限定が取れていない」問題も解消されます。一石二鳥ですね。

「難しい情報→簡単な情報」の順に構成された「前振り+後振り」の構文は、「3ヒントクイズ」や「4ヒントクイズ」を1文にまとめたのと近いといえるかもしれません。

 

長くなりましたがここまでが一般的な早押しクイズの構文についての話でした。「高校生クイズ」の早押し問題などを見てみても、だいたいこれに近い文構成にはなっていると思います。


ここから「この問題を早く押す」ことについて考えます。早押しクイズは一番早く押せた人間1人しか回答権が得られませんからね。多くのクイズプレイヤーは知識をつけたり技術を磨いたりして、「問題を早く押す」トレーニングを積み重ねています。

 

先ほどの問題では、「首の長い動物」まで聞けば、ほとんどの人は答えがわかると思います。ですので、「最低限の押し」は次のポイントとなります。

Q.ヌビア、マサイ、アミメなどの種類がいる、首の長い動物/といえば何? (「/(スラッシュ)」が入っているところでボタンが押されたとお考えください。)

 

ですが、ここまでもたもたしていては回答権はおそらく取れないでしょう。クイズの世界は修羅の国。歴戦の猛者が隙あらばボタンを押そうと待ち構えているのです。

そんな猛者たちに先んじて押すためには、多種多様な知識を培うのが必要不可欠です。図鑑を読んだりWikipediaでサーフィンをしたりして知識を深めれば、

①ヌビアキリン・ウガンダキリン・ケープキリン・マサイキリン・アミメキリンなどの種類がいる

②学名を「Giraffa camelopardalis(ギラファ・カメロパルダリス)」という 

③頭部には「ワンダーネット」という立ちくらみを防ぐための毛細血管の組織がある 

etc… のキリンについての周辺知識を得ることができます。

そうした知識を早押しに生かすことで、

Q.ヌビア、マサイ、アミメなどの種類がいる/、首の長い動物といえば何?

まで押しを早めることができます。

 

ですが、これでもまだ十分な速度とは言えませんね。「種類がいる」まで果たして聞く必要があるでしょうか? 

クイズの問題においていくつかのものごとが羅列されたら、その後を聞くまでもなく「それらのものごとの共通点」について問うているのだなと予想できます(この辺は慣れです)。

「ヌビア、マサイ、アミメ」がすべてキリンの種類であることに気づけば、

Q.ヌビア、マサイ、アミメ/などの種類がいる、首の長い動物といえば何?

までポイントを早められます。慣れればアミメを聞くまでもなく、「ヌビア、マサイ/」の2種だけで判断して押すこともできます。

やったー! おめでとー! 

 

……ですが、まだ押しを早められると思いませんか? 論理のその先を体験したくはありませんか?

早押しクイズを始めてから何千問、何万問もの問題を押して力をつけたあなたになら、まだこの先があります。

Q.ヌビア、/マサイ、アミメなどの種類がいる、首の長い動物といえば何?

大事なのは「ヌビア」の後のブレス(一拍)です。このブレスを聞くことで、この問題が「ものごとを羅列して、その共通点を求める問題」であることを判断できます。

「ヌビア」などの種類がいるのはキリン。答えはキリンです。(調べてみたらヌビアアイベックスというヤギの仲間なんてものもいるらしいですが、まあレアケースでしょう。他にもヌビアで始まる動物もいるかもしれませんが、もし間違ったとしても交通事故として諦められるレベルだと思います)

これにて夢の3文字押しが実現。お疲れ様でした。

やっぱり人として生まれてきたからには、つい脳内最速値でボタンを押したくなってしまいますよね。え? ならない? そんな馬鹿な。

 

このように積み重ねられた知識と経験をフルに使うことによって、クイズ番組で見るような「冗談のようなポイントで押して正解する」光景が生まれるわけなのです。

SF作家のアーサー・C・クラークの「十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない。」という言葉が思い出されますね。

「そんなに早く押して何の意味があるの?」 「ちょっと気持ち悪い?」 

………………まあそういう考えもありますね。

 

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東大医学部3年の水上颯です。頭脳王連覇とか高校生クイズ優勝とか。気分を上げるときにはThe Prodigyの『invaders must die』を聴きます。ためになる記事とためにならない記事を書きます。よろしくお願いします。

 

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