レーザーキャノンとビームライフル、どっちが強い?

こんにちは。ナイスガイの須貝です。

SFを見ているとしばしば登場する攻撃手段、それがレーザー、あるいは、ビーム。

レーザーキャノンとビームライフル、どちらも聞いたことのあるような響きですね。そしてどちらも連想するのはなんらかの光線がでる銃です。もしかして、ビームもレーザーも同じものなのか?違うのなら、どちらが強いのか?

目次

辞書を引いてみる

言葉の問題なのでまずは辞書を引いてみましょう。まずはビーム。

beam

1 a) a line of light shining from the sun, a lamp etc

   (太陽や灯りからの光線)

  b) a line of light, energy etc that you cannot see

   (目に見えない光やエネルギーの線)

オンライン版ロングマン現代英英辞典より)

なるほど。とにかく光線(a line of light)なんですね。b)の意味は光だけでなくエネルギーやその他見えないものの線とも書いてあります。

一方でレーザーはというと、

laser

2 a beam of light produced by a laser

(レーザーによって生み出された光のビーム)

語源 From “light amplification by stimulated emission of radiation”

(”light amplification by stimulated emission of radiation”に由来する)

オンライン版ロングマン現代英英辞典より)

とあります。実はレーザーはacronym(頭字語)なんですね!

直訳すると「輻射(ふくしゃ)のstimulated emission(誘導放出)による光の増幅」です。

輻射は一点から周りへ光を出すことなので、レーザーというのは光を出す方法を誘導放出に限定したものなんですね。光がまっすぐ出ることがビームだったことを思い出すと、レーザーはビームの中の1つの種類のようです!ビームが果物、レーザーがいちごみたいな関係。

というわけで、「レーザー」が特別な「ビーム」でした!

ただ、だからといって、レーザーがビームより強いかと言われると、そのようなことは書いてありません。レーザーキャノンはビームライフルのうちの1つの種類だ、ということぐらいしかわかりませんね。

レーザー

さて、結論もでたことなので、ここからはレーザーが何ものなのかを勉強するコーナーとしましょう。

気になるのはstimulated emission(誘導放出)という言葉ですね。

誘導放出

この世の物質が電子と原子核からできているのはご存知の通り。その構成要素の電子はいろんな出来事で元気になったり落ち着いたりします。たとえば光が当たったときに電子は光からエネルギーをもらって元気な状態(励起状態)になります。

その励起状態というのは徐々に元気になっていくのではなく段階的である、というのが今回のポイントです!

超サイヤ人、超サイヤ人2、のように段階があって、その中間(超サイヤ人1.5)がありません。光に1段階励起させるだけのエネルギーがなければ電子は励起できない、ということです。

 

逆に、電子が元気な状態から落ち着いた状態に戻る時、徐々に戻るのではなく、段差を飛び降りるように一気に戻ります。その時に余ったエネルギーを光として出し、これが誘導放出です!

そうやって光を出すのはいいとして、何が嬉しいんだ?普通の光とは何が違うの?

この方法で光を出すと、光の色を1色に絞ることができるのです!

電子の励起エネルギー(落ち着き状態と元気状態のエネルギーの差)は物質によって決まっています。つまり、元気な状態から落ち着いた状態に戻る時は毎回必ず同じ量のエネルギーを出すということです。

単色光

さらに、光はエネルギーに応じて色が決まっています。光の色を決めるのは波長です(700 nmなら赤、350 nmなら紫のように)。波長が決まると周波数が決まるのですが、周波数はエネルギーで決まります。

エネルギーに応じて周波数が決まるという関係を見出したのはかの有名なアインシュタインです。彼は「光は粒のようにエネルギーを運ぶ」という光量子仮説を唱え、光電効果(金属に光を当てると対応したエネルギーの電子が飛び出す)を説明し、ノーベル賞を受賞しました。(マックス・プランクが少し早く別の理論の中で光のエネルギーの受け渡しは周波数×定数の形で説明されると述べ、その定数はプランク定数と呼ばれている。)

(左:アインシュタイン、右:プランク)

お空だってこんなに青いのに、なぜブルーライトは目に悪いの?

2018.04.04

さて、いつでも1色だけの光を生み出せるというのがレーザーの偉いところです。ブランコで同じタイミングで背中を押した時のように、1色だけの光を集めるとどんどん強めることができます。これがLASERのLAの部分(光の増幅)です。

強めた光は遠くまで届いたりまっすぐ進んだりできるので便利だというわけです。

まとめ

辞書を引いてみると、ビームのなかでもレーザーが特別な光であることが分かりました。ただ、だからといってどちらが強いということは無さそうです。

一方で、レーザーの特別性に着目すると、量子力学の興りに触れることができました。アインシュタインのすごさにもあらためて気づかされましたね。

東大博士課程。女性声優の研究をしていて、趣味は超伝導について調べること。少年マンガはジャンプ派。