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こんにちは。残暑が続きますがいかがお過ごしでしょうか。ライターの松林 陸です。

夏が過ぎ、秋の気配を感じる時期になってきました。「行楽の秋」ともいいますが、皆さんは秋の予定、お決めになりましたか? お出かけもしやすくなってくる秋のはじめですが、この時期にはある「悩みのタネ」があります。

......それが、台風。

▲進路から目が離せない

私たちの日々の暮らしにもさまざまな影響を与える台風。実は、日本にやって来る台風の風が回る向きは、全て「反時計回り」であることをご存知でしょうか? 

今回はそんな台風にまつわるトリビアについて、サイエンスの目線から解説をしていきます。

キーワードは「コリオリの力」

台風の回る向きを説明するためには、「コリオリの力」という力について理解する必要があります。

まず、反時計回りに回転する板の上で、ボールをまっすぐ投げる状況を考えましょう。回転する板の上に乗ってボールの動きを観察してみると、ボールをまっすぐ投げたはずなのに、ボールは右方向に寄りながら飛んでいくように見えます

▲まっすぐ投げたはずなのに、反対側の人はボールをキャッチできない

つまり、ボールを右側に引っ張る力が働いて、ボールが右側に寄っていくように見えるわけです。この「ボールを引っ張っている力」を「コリオリの力」と呼びます。この力はあくまで見かけの力であり、誰かがボールに力を加えているわけではありません。実際に、ボールの動きを真上から止まった状態で見ると、ボールそのものはまっすぐに飛んでいます。

▲確かに、ボールはまっすぐ飛んでいる

台風の風にもかかる「コリオリの力」

地球は自転軸を軸として、北極点から見ると反時計回りに回転をしているので、地球上でも先ほどの「回転する板の上での現象」と同じことが起こります。つまり、台風の風にも同じ「コリオリの力」が働きます。

台風の中では、台風の中心に向かって風が吹き込んでいます。このとき、地球が反時計回りに自転している影響で、吹き込む風にコリオリの力が働き、風が右側に引っ張られるので、風の向きは反時計回りになるのです。

これが、日本に来る台風の風が「反時計回り」になるメカニズムです。

南半球では逆回りになる?

日本では、台風の風の向きが反時計回りになることを説明しました。しかし、南半球で発生する台風(サイクロン)は、日本とは逆に「時計回り」に風が吹くことが知られています。南半球では、南極点から見ると地球の自転する方向が時計回りになっているため、風に働くコリオリの力の向きも逆になるからです。

最後に

身近な「台風」というものに関して、サイエンスに基づいた面白い豆知識を知っていただけたと思います。この話を通じて、少しでも科学の面白さを体感していただけると嬉しいです。

では、天気にも十分注意して、楽しい秋を過ごしましょう!

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この記事を書いた人

松林 陸

京都大学大学院理学研究科・修士1年の松林 陸です。普段は大学のサークルでクイズをしています。 大学では物理学を専攻しています。好きなものはクイズと旅行と科学。読者の方の日々に「ちょっとした学び」が生まれるような記事を書けるように頑張ります。

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