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コジマですよ。

今回は乾電池の話。我々が普段目にする「電池」、単○電池やボタン電池などはほとんどが「乾電池」である。

「乾電池」しか目にしないから忘れがちな「乾」の字だが、わざわざつけてあるからには何かしらの意味があるはず。でも「乾燥」の「乾」……乾いているってこと?

という訳で、忘れられがちな「乾」の謎に迫る。

なぜ「乾」電池なのか

なぜ「乾」電池なのか。それを探るには「乾いていない」電池……「湿電池」を見るのが手っ取り早い。

日常生活では馴染みのない湿電池だが、理科(化学)の授業を受けていれば見たことがあるはずの、これだ。

ボルタの電池

電池は、2つの電極の間に挟まれた電解質のイオンが移動することによって電流を発生させる装置だ。初めて発見された電池はこの電解質に液体を用いていた。

しかし、液体を用いた電池は、液がこぼれたり、寒いと凍ってしまったりして不便が多い。そこで、固体に電解液を染み込ませたものを使い、そうした問題を解消した電池が発明された。これが乾電池である。

従って、乾電池とはいえ中身は割と湿っている。特にアルカリ電池はしっかり液体が入っている。 マンガン電池の場合は二酸化マンガンに塩化亜鉛(電解液)を浸しているのだが、アルカリ電池よりは乾いている。

編集長がマンガン電池を解体した時の様子がこちら。危ないので良い子はマネしないでね!

IMG_3962タテに割ってみるとこんな感じ。黒々。

IMG_3962若干光沢があり液に浸けたような感じはあるが、思ったより乾いている。

では、なぜ乾電池は「そんなに乾いてはいない」のか。

電池はイオンが移動しないと電気を生み出せないので、どうしても液体の電解液が必須になるのだ。カラカラに乾燥した電池を作るのは現状では難しい。あくまで、湿電池と比較して乾いているのが乾電池、ということである。

ちなみに、世界で初めて乾電池を発明したのは日本の時計職人、屋井先蔵(やい・さきぞう)と言われている。

IMG_3962屋井先蔵 電気学会より

まとめ

まとめると、「液でビタビタにならない電池=乾電池」、ということである。

最後におまけ、乾電池についての豆知識を並べて終わりにする。

・単○電池の違いは?

円筒形の乾電池は、大きさによって「単1」「単3」……などと呼び名が異なる。これらの違いは?

実は、違うのは「電流の持ち」だけ。出力できる電圧は数字によって差がないので、例えば単1電池で動く機器は単3電池でも動く(が、電池はすぐに切れる)。

・そもそも何で「単○」っていうの?

乾電池には大きさによって「単1電池」~「単5電池」と名前がつけられているが、この「単」って何ぞや?

電池工業会によると、この「単」は「単位電池」の略だそう。昔は強い電池を複数の弱い電池を集めることで作っており、そのための弱い電池ひとつひとつのことを「単位電池」と言っていたらしい。

この名残で、よく使う円筒形の電池には大きいほうから順に「単1」「単2」……という呼び名がついたのだ。

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この記事を書いた人

コジマ

京都大学大学院情報学研究科卒(2020年3月)※現在、新規の執筆は行っていません/Twitter→@KojimaQK

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