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「君はもっと努力するべき」

いきなりこんなことを言われたらドキッとしてしまいますが、内容はともかく、皆さんは上のセリフに違和感を覚えますか?

実はこのセリフ、文法的に気になる箇所が2つもあるのです。ひとつひとつ見ていきましょう。

「努力するべきだ」

まずは明らかに間違っている箇所から。結論から言うと、文末の「べき」は「べきだ」「べきです」に直すべきです。

古文の授業で習ったように、「べき」は文語の助動詞「べし」の連体形です。つまり、係り結びでもない限り、文末にくることはありません。まさか体言止めをしているわけでもありませんから、文末は「べきだ」「べきです」にするのが良いでしょう。

ただ、「べき」で止まる用法が広まっているのも事実ではあります。

すべき? するべき?

さて、今度は意見が大きく二分される箇所です。「~しなければいけない」を短く言うとき、「~すべき」か「~するべき」か、どっちが正しいのか悩んだことはありませんか?

これも結論から言うと、どちらでも良い、と思われます。

再び文法の話。助動詞「べし」は基本的に終止形に接続します。ところで、「す」は文語の動詞の終止形、「する」は口語の動詞の終止形です。つまり、「すべき」も「するべき」も、一応成立するのです。

「べし」が文語なのだから、接続される部分も文語に合わせるのが良いという意見(=「すべき」)が優勢なようですが、私たちが使っているのは口語。公用文でもない限り、それほど気にしなくても良いでしょう。

参考文献

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この記事を書いた人

カワカミタクロウ

東大文学部卒、東大クイズ研究会OB。

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