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こんにちは、ソフロレリアです。

皆さんはイカ派、タコ派のどちらでしょうか。未だに決めかねる、という方はこちらの記事で彼らについての理解を深めるのもおすすめです。

イカとタコ、どちらも足がたくさんあったり、すみを吐いたりすることでおなじみの海の生き物です。足についてはイカもタコも皆さん食べたことがあると思いますが、墨についてはどうでしょう。イカ墨のパスタやパエリアを食べたことはあっても、タコ墨を使ったものはほとんどの人が経験のないものかと思います。

イカ派ばかりが得をしている現状に、タコ派は指をくわえているしかないのでしょうか。今回はそんな声にお答えすべく、イカとタコの墨の違いについて解説していきます。

イカとタコは墨の使い方が違う

イカやタコは、墨袋で作ったメラニン色素に富む墨と、漏斗ろうと(水や墨を吐くための器官)近くにある“funnel organ”と呼ばれる器官で作った粘液とを混ぜあわせて、最終的に吐き出す墨を作ります

一般にタコは粘液成分の少ないサラサラとした墨を、イカは粘液成分の多いドロッとした墨を吐き出します。墨の粘度は外敵からの逃げ方にかかわっていて、タコの場合は墨を海中に拡散させて目くらましをし、イカは吐き出した墨をその場に留まらせることで分身を作り、その隙に逃げるとされています。

タコ墨は美味しい!

じつはタコの墨には、うまみ成分として知られるアミノ酸が豊富に含まれています。種類にもよりますが、その量なんと、イカ墨の2倍から10倍

目くらましとしての効果があるタコ墨ですが、成分により「餌が近くにある」と天敵のウツボに勘違いさせる役割も持っているとする研究結果もあります。

それくらい美味しいはずのタコ墨、なぜ料理に利用されないのでしょうか

墨を手に入れるのが難しい

イカとタコでは、体内における墨袋の位置が異なります。イカの墨袋が独立した臓器として存在しているのに対し、タコの墨袋は肝臓の中に埋め込まれたかたちになっています。つまり、イカの場合は簡単に墨袋を取り出せるのに対し、タコの場合は傷つけないように取り出すのが困難で時間もかかるのです。

さらに、2016年から2018年にかけての統計によると、日本における1世帯当たりのイカの消費量が1319gなのに対し、タコの消費量は643gと、約2倍の差があります。単純に捌かれる量が違うため、墨を取り出す機会にも差が生まれます。しかも、タコ1匹が持つ墨の量はイカ1匹が持つ墨の量よりも少ないとされています。

取り出すの手間がかるのに大量に得られないとなれば、お店で日常的に提供するわけにはいきませんよね。

おわりに

タコ墨はイカ墨に比べてサラサラしているため、例えばパスタに使っても麺との絡みがよくありません。このような特徴からも料理に使うのは難しいと言えます。

しかし、採算度外視の趣味で作る分には美味しい料理ができそう。タコが丸々1匹手に入ったら挑戦してみては?

出典・参考文献

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この記事を書いた人

ソフロレリア

高橋太郎の名でも活動中。博士(農学)。植物の研究をしています。ポケットモンスターと乃木坂46とウイスキーが好きです。

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