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犯罪という身近なものについて学べる授業「刑法第1部」

刑法第1部は、個々の犯罪類型に共通するルールを定めた刑法総論について学ぶ授業。2020年に授業を担当していた和田俊憲教授の説明がわかりやすいのはもちろん、このとき教科書に指定されていた教授の著書『どこでも刑法 #総論』もとにかくわかりやすく、刑法について楽しく学ぶことができました。

どういう要件が揃うと犯罪となるのかということを勉強したので、刑事事件を報じるニュースを「この事件はこの要件が足りてないから過失致死なのか~」というような見方をできるようになりました。

ちなみに、期末試験はA4用紙3枚分の解答用紙に対して問題文が一行しかなく、「この難易度の問題を出すとは……。さすが東大法学部」と思いながら必死に解答用紙を埋めた思い出があります。

テレビでコメンテーターも務める有名教授の授業「国際政治」

テレビにコメンテーターとして出演することもある藤原帰一教授が開講している国際政治。国際関係を政治の視点から学ぶこの授業は、新たな知識をたくさん得ることができました。

そのなかでも一番印象に残っているのは、Stability-Instability Paradoxというものです。一般的には、戦争を始めようと思っても核兵器が使われると困るので、核兵器は戦争を抑止する効果「核抑止」があるとされています。しかし、核兵器があることで逆に小さな戦争が起きやすくなっているのではないかという説が、Stability-Instability Paradoxです。直感に反することだったので、最初はよくわからなかったのですが、詳しい英語論文などを調べ、納得することができました。

国際政治は複雑で難解ではありますが、それがゆえにとても興味深い学問であることの一端を感じられる授業です。

法学部でも経済学も学べる「経済学基礎」

経済学部の教授が、法学部の授業として経済学の基礎について教えてくれるこの授業。マクロ経済学とミクロ経済学についてそれぞれ週に1コマずつの授業があります。

法学部とはいえ、教養として経済学の基礎くらいは理解したいと思い履修しました。思ったよりも詳しいところまでが授業範囲で大変でしたが、そのおかげで経済学という学問をほんの少しだけ学ぶことができて非常にためになりました。

番外編:前期教養学部で最もつらい授業

1、2年生が所属する前期教養学部の授業の中で一番つらいといわれる必修授業があります。それが、ALESA(※)。

ALESAは“Active Learning of English for Students of the Arts”の略で、英語で短い論文を書いてみようという内容の授業です。

※理系の場合、ALESS(Active Learning of English for Science Students)が必修となります

私の担当教員は課題が多く厳しいだけでなく、参考文献の半数以上は英語で書かれた論文である必要がありました。さらに、日本語でしか表現できない概念をテーマにしなくてはいけないという厳しい縛りも設けていました。そのため担当教員は、「大鬼」といわれていました。

私が執筆した論文のタイトルは、「Hikikomori:The Case of Japanese Male Workers After Retirement(退職後の男性のひきこもりについて)」。性的分業が引き起こす男性の退職後のひきこもりについて、海外の論文などを参照しながらA4用紙10枚分ほどを何とか書きあげました。

おわりに

今回は法学部にフォーカスして紹介しましたが、前期の教養学部には様々なジャンルの授業があります。

大学では思ったよりも様々なジャンルの学問を深く学べることを実感しました。

これから大学に進学する予定の方は、高校までの勉強の先にある大学での深い学びを楽しみにしていてください。

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この記事を書いた人

イデマサト

東京大学法学部OBのイデマサトです。日常でふと感じた疑問を記事にしています。

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