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私は、緊張への対策としてインナーゲームという理論を活用しています。

緊張への対策:インナーゲームとは?

インナーゲーム理論とは、自分の内側で行われる葛藤(インナーゲーム)に焦点を当て、自分の能力を最大限発揮するために精神面での妨害に対処する方法を提示している理論です。

先ほど書いたように、ステージに向かう前や弾いている間に演奏家は様々なことを考えます。「本番中急に頭が真っ白になったらどうしよう」「緊張で音がかすれているな」など、いうなれば頭の中の独り言です。この独り言と不安な気持ちが身体的な要素として現れ、集中力を欠いたり手に汗をかいたりと演奏に悪影響が出ます。

インナーゲーム理論では、それに対してどのような対処法を取るかが論点になっています。例えば、まずは頭の中の独り言を無視することで、目の前の演奏に集中できるようになります。緊張からくる体の反応を具体的に把握することで、漠然とした不安を取り除くという方法もあります。

この理論の最大の特徴は、日々の実践の中で理解し習得するものであるということ。

私がこの理論に出会ったのは数年前のことですが、まだ緊張を完全にコントロールするには至っていません。日々の練習やレッスンでできることを実践しながら、自分に合った方法を模索中です。ですからコンサートの前に緊張することもあれば、大きなストレスを感じて弾くのが嫌になることもあります。ただそういった困難に対して、どのように対策していくのか考えることは楽しいと感じています。それが私にとって音楽を勉強する醍醐味のひとつなのです。


以上が私の実践している緊張への対処方法です。

好きなことを仕事にする=毎日楽しいことだけとは言えないけれど、障害物をどのように越えていくか日々工夫する面白さがある、といえるのではないでしょうか。皆さんがコンサートに行かれるときは、演奏家が緊張しているかなどは気にせず、ゆっくり音楽を楽しんでくださいね。

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この記事を書いた人

望月

パリ国立高等音楽院修士1年に在学中のヴァイオリン弾き。パリ在住。日本から約1万km離れたこの地から、クラシック音楽やフランスのことを少しでも身近に感じてもらえるような記事をお届けできたらと思っています。

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