QuizKnock

アプリで記事をもっと見やすく

インストールする

カテゴリ

ログイン

こんにちは、Mimoriです。

インフルエンザなど、今年の冬もウイルス感染症に苦しめられた人も多かっただろう。また、2020年3月現在、新型コロナウイルスによる感染症が世界中で拡大して、大きな問題となっている。

新型コロナウイルスに関しては、インターネットで根拠に乏しいデマが拡散し、大きな騒ぎとなっている。感染症についての正しい知識を持ち、拡大防止に努めることの重要性を痛感させられる出来事だ。

そこで、今回の記事ではウイルスに関する知識を身につけていこう。同じく微生物である「細菌」との違いを中心に説明していく。

ウイルスはどんな構造をしているの?

ウイルスと細菌では、大きさや構造がまったく異なる。

ウイルスのサイズはおよそ100ナノメートル(10000分の1ミリメートル)と、細菌の10分の1から100分の1ほどの大きさしかない。細菌は一般的な顕微鏡で観察することができるが、ウイルスは拡大率の高い電子顕微鏡でしか観察することができない。

ウイルスは、カプシドと呼ばれるタンパク質のカプセルに遺伝子が1-2本入った、非常にシンプルな構造をしている。一部のウイルスは、さらに外側をエンベロープという脂肪の膜で包まれている。

細菌の構造についての詳細な説明は省略するが、以下の図を見てもウイルスとはまったく異なる構造であることがわかるだろう。

ウイルスはどうやって増えるの?

ウイルスと細菌では、増殖の方法にも大きな違いがある。ウイルスは自力で増殖することができないが、細菌は自力で増殖することができるのだ。

ウイルスが増殖するためには、人間などの生物の細胞に侵入し、その細胞が持つ道具を借りる必要がある。つまり、他の細胞に寄生しないと増殖できないのだ。

一方、細菌は環境さえ整っていれば、自分たちだけで増殖することが可能である。逆にウイルスが増殖する細胞内では、殺菌作用が働くため細菌は増殖することができない(結核菌など、一部の細菌を除く)。

たとえば、テーブルの上に食べかけのパンを放置したとする。時間の経過とともに細菌が増殖してパンは腐ってしまうが、パンには細胞がないためウイルスは増殖することができない。

ウイルスを殺すには?

細菌を壊したり、増殖を抑えたりする作用を持つ薬を「抗菌薬」と呼ぶ。抗菌薬の代表例「ペニシリン」は、多くの人が名前を聞いたことがあるだろう。病気の原因が細菌の場合、原因となる細菌が特定できない場合でも、多種の菌に有効な抗菌薬を使用することができる。

一方で、ウイルスに対して抗菌薬を服用しても、まったく効果がない。ウイルスに対して効果を持つ抗ウイルス薬は、非常に種類が少なく、抗菌薬と違って基本的にウイルスの種類が判明しないと使用できない

つまり、インフルエンザに有効な薬(タミフルなど)は、インフルエンザウイルス以外には効果がないのだ。また、ノロウイルスに対しては、抗ウイルス薬は存在しない。残念ながら特効薬は存在しないため、水分補給をして安静にするのがベストな治療である。

ウイルスに抗菌薬を使ってはダメなの?

風邪をひいたとき、抗生物質(ここでは、抗菌薬と同じものと考えてよい)を求めて来院する患者さんは非常に多い。ただし、一般的な風邪の8割以上がウイルス感染によるもので、抗菌薬を飲んでも効果がない。風邪の原因となるウイルスに対しては抗ウイルス薬も存在しないが、多くの風邪は1週間程度で自然に治ってしまう。

それでも、念のために抗菌薬を飲んでおきたいという人もいるだろう。しかし、無駄な薬は使わないほうがよいのだ。むやみに抗菌薬を使うと、体に良いはたらきをもたらす菌を殺してしまったり、抗菌薬に強い耐性菌を誕生させてしまうこともある。

もちろん、明らかに細菌感染が疑われる場合は抗菌薬が必要となる。医師と相談の上、必要な場合に使うようにしよう。

この記事を書いた人

K. Mimori

慶應医学部卒。元馬術部。知っておくべき知識から意外な雑学まで、様々なジャンルの記事を扱っていきたいと思います。よろしくお願いします。

K. Mimoriの記事一覧へ