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こんにちは。縄手です。

「河童(カッパ)」という妖怪がいますよね。カッパはきゅうりを食べるというのは有名ですが、きゅうりだけで生きていけるものなのでしょうか。それについて真面目に考察してみました。

きゅうりにも栄養はある

「きゅうりは栄養がない」、「きゅうりは90%以上が水」、インターネットの有名なコピペもあり、これらの情報を知っている方も多いと思います。

上述のうち後者は事実ですが、前者は間違いを含んでいます。きゅうりは95%以上が水分で、また100g(大体きゅうり1本分)あたり14kcalとローカロリーなため、ギネスブックにも「Least calorific fruit」(世界一カロリーの低い果実)として登録されています。

しかしローカロリーといっても栄養がないわけではなく、βカロテン(体内でビタミンAになる)やカリウムを含んでいます。他にもビタミンC、ビタミンK、マグネシウム、食物繊維などもバランスよく含んでいます。「きゅうりは栄養がない」はウソと分かりますね。

カッパは消化管の中に細菌を飼っている説

きゅうりに栄養があるということは分かりましたが、きゅうりだけを食べていてはどうにもならない栄養素もあります。体の元になるたんぱく質、そしてそれを構成するアミノ酸です。体の元になるだけあって、アミノ酸は肉類に多く含まれます。それではカッパはどこからアミノ酸やたんぱく質を得ているのでしょうか。

この問題は、カッパが多くの草食動物のように共生細菌を飼っているとすると解決されます。

多くの草食動物は、ヒトを含めた大型の肉食動物では分解できないセルロース(植物に多く含まれている)を、消化管内の細菌によって分解しています。その細菌自体を構成するのがタンパク質なので、細菌が死ぬと消化酵素によって分解され、アミノ酸として消化管から吸収されます。これこそが草食動物の栄養源なのです。

※本来、消化管内の細菌によるアミノ酸合成には窒素分や硫黄分が必要だが、今回は池の水などから取り入れられるものとする。

同じように、カッパは消化管内に共生細菌を飼っていて、きゅうりをツルごとムシャムシャ食べることでアミノ酸を得ていると考えられます。

カッパはナマケモノ?

栄養素の問題はほとんどクリアしましたが、問題はきゅうりがギネスブックに載るくらいカロリーの低い食品ということですね。成人男性の目安摂取量1日2000~2500kcalは、きゅうりを100本食べてもまかなえません。

しかし自然界には、極端に低いカロリー量で生活する生き物もいます。有名なナマケモノは一日中木の上で寝て過ごし、1日の消費カロリーは110kcalほどです。それなら、きゅうりおよそ10本で十分ですね。他にもコアラも、カロリーが極めて低いユーカリの葉っぱを主食としていて、1日の22時間を動かず睡眠と休憩に使っています。

ナマケモノ

カッパもそれらと同様に動かず、1日の大半を水の中で漂って暮らしているのだと思います。移動するのはきゅうりを食べに行くときだけなのでしょう。

おわりに

今回は、カッパがきゅうりだけを食べる生物として考察してみましたが、芥川龍之介の小説『河童』では、カッパは知的生物でありながら、同種のカッパを含めてなんでも食べる生物として描かれていました。

もちろんカッパは空想上の妖怪に過ぎないわけですが、いてもおかしくないんじゃないかと思いませんか。想像上の生物の食生活について、皆さんもぜひ考えてみてください。

参考文献

この記事を書いた人

縄手 佑平

千葉大学医学部医学科4年の縄手です。普段は塾講師や家庭教師、説明会に登壇し、大学受験(特に医学部受験)に携わっております。日常にある素朴なギモンへの答えをお届けできればと思います。

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