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女流棋士の「わんぱく時代」

お恥ずかしいのですが、少し学校の話もしたいと思います。

中学生となりプロを目指しはじめた頃から、だんだんと学校の授業への興味が薄れていくようになりました。これを読んだ親御さんがお子さんに将棋をさせたがらなくなるのが心配ですが、あくまで私個人の問題なのでご了承いただけたらと思います!

当時は毎日のように遅刻はするし、宿題もしない、喧嘩もするし授業中は将棋の本を読んでいるし……。一応好きだった国語の授業だけはきちんと聞いていた覚えがありますが、もう不良と言っていいですよね(笑)。

▲ちょっとした不良だった中学時代(写真はイメージです)

しかし、プロ入りも見えてきた中3の春頃、問題が起きました。高校受験です。家族の要望で大学まで行くことは当時から決めていたのですが、将棋の負担にならないように、実家から徒歩で通える神代高校に通いたかったのです。

しかし、内申も学力も高くなかった私は、担任との面談で電車通学が必要なもう少し偏差値の低い学校を勧められました。そこで言われたのが、

香川さんには、神代高校は厳しいんじゃないかな……

この一言に、負けず嫌いな私はカチンときてしまいました

そう、実は将棋のプロ入りのかかる半年のリーグの間に、学校でも猛勉強をしていたんです。当時は個別指導の塾に通って、遅れた分を全力で取り戻しにいきました。夏休みにはかなりのコマ数を入れさせてもらった記憶があります。

▲先生を見返したい! 将棋の勉強の合間を縫って猛勉強

内申のために初めて宿題を出したら、数学の先生が泣き出してしまうというびっくりな思い出もあるんです(笑)。

当時の先生方にはとにかくご迷惑をおかけして、思い返しても申し訳ない思いです。とはいえ、気持ちを切り替えたことを理解してくださり、授業でもサポートしていただきました。

こうしてプロ入りが決まった数カ月後、受験を経て第一志望の神代高校への入学を決めることもできました。

▲高1のとき。晴れて将棋も学業も次のステップへ

将棋界、いま注目の話題はやはり……

それから現在。プロになって15年目を迎えており、来年の4月には人生の半分を将棋のプロとして過ごしたことになります。もう私の人生は将棋なしには語れないですね。

今でも対局をしながら、YouTubeをはじめ、将棋の世界の魅力をお伝えできるような活動を心がけています。このコラムもそのひとつで、普段将棋の世界を知らない読者の皆さまにも興味を持ってもらえる記事を目指していけたらなと思います。

最後に、将棋界の注目トピックをご紹介。現在、藤井聡太七冠は順調にタイトル戦勝利を重ね、史上初の八冠独占を達成できるか注目が高まっています。

先月(2023年8月)31日からは、唯一手にしていないタイトル・王座の奪取を懸けた五番勝負が始まりました。第1局は永瀬王座の先勝。どちらが勝っても歴史的なシリーズとなります。皆様もぜひご注目ください!

また、私も女流王将戦のトーナメントにて挑戦者決定戦に進出することができました。

▲対局の模様は9月9日(土)18時〜 囲碁・将棋チャンネルで放映

この対局に勝てばタイトル戦へ出られる大一番です。がんばりますので、読者の皆さんにも応援いただけたらうれしいです!

筆者プロフィール

香川愛生(かがわ・まなお)

東京都調布市出身、30歳。女流四段。立命館大学文学部卒。

2008年、中学3年生でプロ入り。2013年に初タイトル「女流王将」を獲得。

趣味はポケモン、名探偵コナン、クイズや謎解きなど。

【将棋に関する記事はこちら】

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この記事を書いた人

QuizKnock編集部

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