答えと解説
正解は「ラヴェル(ラベル)」でした。今回演奏したのは、『亡き王女のためのパヴァーヌ』です。
音ありの動画はこちら。
モーリス・ラヴェルは、1875年生まれのフランスの作曲家です。ラヴェルはその素晴らしいオーケストレーション技術から、「管弦楽の魔術師」という異名でも知られています。
ラヴェルの有名なオーケストラ作品といえば、やはり『ボレロ』でしょう。
『ボレロ』は、1928年に初演されたバレエ音楽です。最初から最後まで同じリズムが繰り返され、さらにその中で2種類のメロディーが繰り返される、という特徴のある曲となっています。
繰り返しが多いため「飽きる」「つまらない」といった感想を持たれがちな曲ですが、私個人としては、長い繰り返しの中に僅かな違いを見つけ、そこからこの曲の表情を感じ取ることこそが、『ボレロ』の楽しみ方ではないかと思っています。
さて、ここからは演奏した『亡き王女のためのパヴァーヌ』について解説しましょう。
タイトルの「亡き王女」は、ベラスケスの描いたマルガリータ王女の肖像画からインスピレーションを得たとの説があります。ラヴェルにはバスク地方(スペインとフランスにまたがる地域)出身の母がいたためか、フランスの作曲家でありながら作品にスペインの要素を頻繁に取り入れました。
また、「パヴァーヌ」は16世紀頃にヨーロッパの王侯貴族の間で流行したダンスの名前です。王侯貴族が舞踏室へ入場するときの、優雅で格調高い踊りとされていました。
この曲はどこかノスタルジックな雰囲気が感じられますよね。みなさんもぜひ、郷愁にふけりながら聴いてみてはいかがでしょうか。
それでは、次週の「今日の一問・音楽編」もお楽しみに。
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