※この物語はフィクションです。
明日は都立久井津(くいず)高校の卒業式。3年生のA男は、同じクラスのB子と、卒業式後にデートの約束をしていた。
しかし、A男の趣味といえば、もっぱら近所のゲームセンターに通うことだけ。初めてのデートでどこに行けばよいかなど、まったく分からなかった。
そこでA男は、2人で学校近くの河原を散策しようと考えた。さらに、デート中に会話が途絶えては不安なので、卒業シーズンに使えそうなモテ言葉を、ネットで徹底的に予習したのであった。
そして迎えたデート当日……。
B子「A男くん、さっきから知識をひけらかしてばっかりでつまんない。せっかく卒業式の後に2人で会ったのに、河原を歩いてるだけだし。呼んでもらって悪いけど、もう帰るね……」
A男「そんなあ、ちょっと待ってよ!」
B子「イヤだよ。あーあ、ここで歩いてるくらいなら、ゲームセンターでも行っときゃよかった。」
A男「え、B子ちゃんってゲームセンター好きなの?僕も大好きだよ。今から一緒に行かない?」
B子「そうなんだ!じゃあ一緒に行こう!」
こうして2人は、大好きなゲームの話に花を咲かせながらゲームセンターへと向かった。会話がはずむにつれて、並んで歩く2人の距離は、少しずつ縮まっていった。