「ノーベル賞が欲しい」と本気で考える人は多くないと思われます。というのも、もらえる可能性が限りなくゼロに近く、ゆえに受賞の想像すら難しいからです。 1万円の使いみちはすぐに思い浮かぶでしょうが、1兆円の使いみちはポンとは思い浮かばないでしょう。それと同じです。人類最高の栄誉の高みは、凡人の夢想すら拒むのです。 ……でも夢くらいみたいじゃないか! そういうわけで僕が考えた単語が「ノーベル残念賞」。ノーベル賞のありがたみが1億分の1くらいになりました。これで十分想像可能な範囲に収まるでしょう。 ノーベル残念賞を受賞した僕を夢想します……すごい、想像できる! マスコミに囲まれる僕。授賞式に出席する僕。永遠の歴史に名を刻む僕。たのしい! 人間レベルが1億分の1くらいになりますが、心地よい空想が楽しめます。
さてさて、妄想のリアリティを高める「受賞理由」ですが、僕本体には残念ながら残念賞を貰えそうな業績すらありません。 なので過去の実際のノーベル賞受賞者に自分を重ねています。ロールプレイングですね(みんなよくやるでしょ?)。 特にオススメは1901年物理学賞のレントゲンです。「X線の発見」という受賞理由が分かりやすい。 他にも妄想にオススメな受賞者はいっぱいいるので、クイズ形式で紹介します(QuizKnockなので)。ぜひ皆さん彼ら偉人に自分を重ね合わせて残念賞を受賞しましょう。たのしいよ!
……みたいなことを日頃考えてるんだ、と伊沢に話したら、よりによって「それで記事を書け」と言われました。しかもノーベルウィークに合わせて公開ですって。 僕は伊沢に詰め寄りました。 大隅先生受賞の祝賀ムードの中でやることじゃないでしょ!」 せめてノーベルウィークは避けてくれ、と。 すると伊沢は言いました。 「だって、その気持ち悪い妄想で十分ノーベル残念賞とれるから」。 僕は何と返したらいいか分からず、顔をしかめました。そしてなんだか、急に恥ずかしくなってきました。現実に引き戻された僕は、この妙な妄想を、いつまでも封印することにしたのでした。(完) サムネイル画像 / Via Adam Baker

この記事を書いた人

河村・拓哉

河村です。どうも。日頃は東大クイズ研で各種クイズと戯れています。常識に囚われないことを目標に、日々常識を学ぶ毎日です。良品も珍品も出していきたいと思ってはいるのですが……(記事一覧で実態を確認だ!)

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